※このページは管理人の購入した音盤記録＆批評のページです。
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約2年ぶりのアルバムです。全10曲38分。相変わらずのんびりリリースですが最近私も耄碌してきたのでこの位のスピードで良いものが聴ければそれでいいですわ。（苦笑）

一聴してみて「あれ、ギターが引っ込んだかな…？」というのがありました。後前作と比べて音の隙間が埋まってます。前作は全体の空間に対してギター、ベース、ドラム群を配置していく感じだったのですが、今作は「バンド」という形があって、それを空間に当て嵌めた感じになってますね。まぁ悪く言えば「小さくまとまってる」って事になるんだろうけど…音のバランスとしては良くなってると思います。ただ迫力の点では落ちてしまってますね。

曲の方は相変わらずクオリティ高し。爽快です。コーラスのハモりの高揚感も良い感じです。曲自体の濃さは大分薄くなりました。元々1曲にアホみたいにフレーズを詰め込んでしまって1曲に3曲分くらい入ってるバンドだったんで、このくらいで丁度良いのかも知れませんね。曲を無理矢理展開させるのでは無く、曲に沿う様に展開させていってる感じがしました。但しこれも曲のスリリングさが落ちた、とどのつまり迫力が落ちてしまっている原因かと。残念ながら。

でもそれでも爽快で良曲揃いな事に代わりは無いし、薄くなった事によって繰り返して聴く楽しさが出て来た訳で、それはそれで良いんじゃないでしょうか。今までのアルバム（ミニアルバムも含めて）を1曲1曲の「曲集」だとすると、これは「アルバム」として聴き込める、そんな音盤だと思いました。それにしてもここのベース、ギターが派手なんで聞き落としてましたが地味に凄い事やってますな。かっこいいっすわ。
（2004/02/07）

＜音盤データ＞
ザ・バンド・アパート「クウェイク・アンド・ブロック」
2005年5月11日発売
ASG-003
Asian Gothic
定価2,730円
（税抜2,600円）

＜曲目＞
01. coral reef
02. my world
03. from resonance
04. M.I.Y.A.
05. night light
06. forget me nots
07. violent penetration
08. higher
09. quake and brook
10. real man's back

ジャズやらボサノヴァやらをプログレに突っ込んでパンクで煮詰めたようなジャンルを特定しづらいバンド（一応誉め言葉のつもり）、我らがバンアパの3rdアルバム。…なんですが、なんちゅうかこう、2nd.で小ぢんまりとしてしまったダイナミズムをそのまま引っ張っちゃったという印象でした。

勿論やりたい放題だった1st.から比べて、バンドというか音楽はよくまとまってると思うんですが、そういう「こなれた」感じがモロに出てきてしまっているというか。それでも2nd.はじっくり過ぎるほど作りこんであったんですが、今作は普通に作って普通に出した、という感じ。ギターもカッティングの妙で聴かせるのではなくて、あくまでもメロディー、フレーズで聴かせてます。曲の構成も勿論他のバンド以上に複雑なんだけど、手グセで誤魔化しちゃった、というところがちょこちょこと。ジャム・セッションとか即興って嫌いじゃないけど、そこは踏ん張りどころだったんじゃないかなぁ、等と。なんちゅうかこう、すっげぇ美味しいメロンがあるんだけど、よく熟さないまま食べさせられちゃった、という感じ。

元々のセンスはあるからそれでも素晴らしいアルバムなんだけど、このままどんどんダメになってしまいそうで心配です。リリースは遅めでいいから、じっくり作って欲しいなぁ。いや私に心配されても余計なお世話でしょうけど（汗）。期待が大きいバンドなので、敢えて厳しめに。
（2006/11/04）

＜音盤データ＞
ザ・バンド・アパート「アルフレッド・アンド・キャヴィティ」
2006年10月4日発売
ASG-007
Asian Gothic
定価2,730円
（税抜2,600円）

＜曲目＞
01. 72
02. Still awake
03. SOMETIMES
04. the same old song
05. headlight is destroyed
06. Circles and Lines
07. led
08. Stanley
09. stereo
10. beautiful vanity
11. Can't remember
12. KATANA